私の愛したDJ機材遍歴(と少しクラブ音楽)を語る

まさかこんな長い趣味になるとは思っていなかったDJ。始めたときと比べると自分の環境も大分変わっていったのでなんとなくそこら辺に思いを馳せながらまとめていこうかなと思います。微長文ですが人生の棚卸し、お付き合いいただければと存じます。

Technics SL1200 mk3*2 + Technics SH-EX1200期

まず初めにDJ機材として購入したのが当時王道とも言えるTechnics SL1200 mk3*2 + Technics SH-EX1200です。確かヤフオクでセットで購入した覚えがあります。今見るとミキサーにHI,LOWしかない。

そもそも何故いきなりタンテとミキサーを欲しくなったのか、これは学生時代に遡ります。

当時からbeatmania 2dxというゲーセンでクラブ音源をボタンで叩く音ゲーやbmsというPCで行うビートマニアみたいなものにハマっていた自分は色々なクラブ音楽を聞き、学んでいきました。その中でも特に自分に刺さったジャンルといえばGABBA、Tranceになります。

「いやいやお前の音楽遍歴の話かい!!!」と思われた方、もうちょっとだけお付き合いください。

これらのジャンルの楽曲を幅広く色々手に入れるには当時ネットもそこまで発達していなかったせいか全くわからなかったのです。CDなんて偶に近所のショップで購入するくらい。クラブミュージックはあってもコンピレーションCD位。じゃあどうすればこんな楽曲を購入することが出来るのか、そこでなんとなくDJというものを認識し始めていた自分は「レコードなら手に入るんじゃないか?」そう思い、ターンテーブルとミキサーを購入することになったのです。

そしてどうやらレコードショップというのは「CISCO」という店が有名らしい。ということで学生時代は渋谷宇田川町の今は亡きシスコ通りに通うことになり、更に周りにあった「DMR」「テクニーク」「ディスクユニオン」などのお店にも足を運ぶようになります。

初めての視聴もなんとなく他の人を真似て試聴盤を手に取り視聴機のタンテに置き、針を落として新しい音楽を聞く。それだけで自分としては未知なる体験でとにかく楽しく色んなレコードを取っ替え引っ替え視聴したのを覚えています。当時は1枚1300円位でしたでしょうか。なけなしのバイト代をレコード代に突っ込み、シスコ袋を持ちながら学校に通っていたのを思い出します。

ちなみに最初に買ったレコードは「12 Inch Thumpers」というアーティストの曲です。

Beatport – 12 Inch Thumpers

聴くと判るのですが全然トランスじゃない!!!そうなんです、色々視聴しているうちに今の自分の土台ともなっている「Hard house」という尖ったジャンルと出会い、こちらに大きな興味を持っていかれたわけです。語弊があっても良いならば「テクノ、トランス、ハウスの良いとこ取りして音をハードにした感じのジャンル」と言えるでしょう。何故かbeatportの楽曲自体がWordPressで埋め込めないので気になった方はググってください。ドコスコバキバキいうバンギン系と所謂donkと呼ばれるスッコンスッコン鳴るパンピン系など様々な楽曲があります。今後購入するレコードはこのHard houseのレーベルであるTidy Trax、Nukleuzに加えHard techno,Tribal techno,Hard style辺りの楽曲、偶にホワイト盤のSchranzが主流になっていきます。

それはそれとしてちゃんとトランス系も買い漁ってました。初めて買ったのはDJ REMO-CONの「G-SIGH(ジャンル的にはHard tranceとかで合ってると思う)」、YOJIの「LOOK@THE HEAVEN」「SAMURAI」辺りだったかと思います。トランスはとにかくシンセが攻撃的な音が好きで色々digっては買い漁っていましたね。他にはFARM RECORDSのOriental Spaceが大好きでした。ナウシカ・レクイエムや君をのせてのトランスネタ、とか聞いたことある方もいるのではないでしょうか。ネタ系が秀逸でしたが他の楽曲も普通にカッコ良く購入していました。早くに亡くなられたのは残念すぎましたが…

ちなみに他ジャンルで初めて買ったレコードはHouseは「Body & Soul Vol.4」、R&BはMonday満ちるの何か(忘れた)、J-POPはCAPSULEの「idol fancy」です。GABBAはCDで集めました。

ちなみにDJはどうだったんだ?ということを言っておくと、この頃はBPMも耳で合わせ、タンテの縁を擦り音を合わせ、ハイローしか無いミキサーで音を破綻させず繋ぐというようなことをやっており、なんか上手くならずほぼ遊び感覚でMIXをしていました。クラブにも行かず俗に言うお家DJです。

PC + Vestax VCI-100mk2期

上記の通りレコードショップへ通い枚数も数百枚を超えた辺りでしょうか、突如DJ界隈に異変がおきます。PCDJ機材の登場です。私が買いましたのはVestax VCI-100mk2です。

なんかこの機材PCに繋いでTRAKTORってソフト入れるだけでDJができるんだけど!!!しかもBPMも波形も出る!すげえ!というわけで購入。そしてPCDJ沼に嵌っていきました。

そして音源もBeatportってとことJuno downloadってとこで安く買えるし視聴も簡単だ!となりやがてタンテとミキサーは売り払われ、購入したレコードもヤフオクにセット売りに出されてしまうのでした。

それくらいこのPCDJの登場というのは強烈でBPMも解析してくれるからテンポフェーダで合わせやすい、なんならオートでテンポ合わせやってくれたりするし波形見えるから繋ぎどころもわかりやすい、楽曲もある程度ソフトで管理できてしまう、そんな魔法のようなハードウェアとソフトウェアだったのです。

PCで音源を集め、次第にDJも徐々に出来るようになり始めた頃、その時あったストリーミングサービス「Ustream」でDJ配信をするようになります。まぁ視聴者は数人でしたがそれでもDJを見てもらえるというだけで嬉しかった記憶があります。

それから程なくしてクラブ楽曲界隈で知り合った友人に小箱でのDJ依頼を頂けるようになっていきました。この頃は本当に楽しかった。スイーツ食べ放題の店で散々食べ尽くしたあと箱で酒飲みながらするイベント、芸人さんがするような壇上ステージで各自DJするイベント等など色々出演させていただきました。感謝。この頃から大小問わず色んなクラブイベントに行くようになりクラブ界隈の友人も増えた頃だったかと思います。Hard house好きやハーコー好き、サイケ好き等など今でも繋がりあったりしますからね、縁ですね。

PC + ALLEN&HEATH XONE:K2期

とまぁ楽しくDJやクラブ生活を送っていたわけですがVCI-100mk2は何かデカくて重いな…と思い新しい機材に手を出しました(それでもCDJ,アナログDJよりは荷物少ないんですが)。

それがアレヒのK2です。

見て分かる通り少し縦長なだけで大分小型でしかも4Deck使える!有志のTRAKTOR用アサインもネットにある!ということで購入。こちらでDJをするようになったわけです。今でも使われている方もちょくちょく見かけますね。名機です。

「いや~、小さいし普通にDJできるし便利だな~」と思っていたのですがあるとき軽い事件が起きます。

それは私が呼んでいただいたイベント(ちょっとした野外フェス)で起きました。

ステージで他に出演するDJさんに挨拶しプレイするステージへ向かったところ

「あれ、PCもコントローラーも置く場所なくない??」

そうです、現場にはアナログ2台、CDJ2台、ミキサー1台、あとミキサー横にTRAKTOR製のMIDIコンが2台設置されていて置き場所がないのです。

理由としてはその時にプレイするDJさんが何人かいたのですが、そのうちラストにプレイするDJが自分のMIDIコンを始まる前から設置し場所を確保していたのです。おかげで自分のコントローラーを置くところがなく、DJ同士の話し合いの場で「自分コントローラー置く場所ないんですけどどうしましょ?」と聴くと「まぁなんとかやってもらうしかないですね~~」とのこと。

いや、このコントローラーどかせば全然置けるんだが????なんで最後の番手のお前が場所陣取っとるんや????と言いかけましたが「じゃあ使ってない機材の上とかに置かせてもらうしかないですねー」というと「いや、機材上はダメでしょw」とかぬかされたため、何と言うか「うわ、PCDJの機材設置てこんなん面倒なトラブルあるの?というか君の機材でかいし2個使ってるし4deckどうせ使わんやろし邪魔やねん…」と思ってしまいその日のうちにPCDJへの機材愛がシオシオと薄れていきました。

そしてさらにその日は不幸なことに自分の前手でアコギライブをしていたじいさんが何を思ったのか持ち時間が終わっても歌い続け、むしろ満足するまでライブを永遠にやろうとしたため、自分の持ち時間が45分から15分に。ムカついた、というかやる気を失ったので普通に機材の上にPCとコントローラー置いてプレイしました。お客は1人だけ踊ってくれました。なおラストのDJはそんな機材でしょうもないダブステップを流したためダブステップには恨みはないけど未だにひっかかります。

その後、DJをする際はほぼCDオンリーにてプレイするようになっていきました。

DJM-250MK2、CD、USBメモリ併用期

DJ出演も落ち着き、音源のdigも少なくなってきた頃にまたちょっとDJやりたいな熱が再燃したためちょくちょく自主的に箱へ行っては時間をもらいプレイしていたのですがこの頃はもうUSBメモリ一本でやっていました。画像はSSDですが。CDはUSBがトラブった時用にiTunesで楽曲を焼いていき予備として持っていってました。

通っていた大きな箱のDJさんもみんなUSB(たまにCD)でプレイするようになっており「やっぱ時代はUSBよ!」と勝手に納得したのを覚えています。

そしてここ数年といったところですがDJソフトもTRAKTORからrekordboxに乗り換え、プレイリストを作りそれでDJをしています。使用方法ですがある程度PCとキーボードでcueを打ち、再生等の操作、それをDJM-250MK2でコントロールし練習、リハというちょっと変則的な使用方法です。

USBメモリには過去購入した音源がFLACだったりALACだったりし機材によっては流せなかったりする可能性があるためmp3 320kbpsにして音源をいれています。ここらへんの話は以前ブログに書いた「アニソン楽曲管理パッとしない問題」に書いてあります。未だにどうしたものか。

上記にもありますが最近はアニソンでDJをさせていただく機会があるため、そうなるとPCDJの方が良いのでは?となるのですが現在のクラブでのセッティングや転換などの方法がはっきりわかっていないため当分はSSDメモリでやっていきそうです。

以上、私の愛したDJ機材達でした。ご清聴ありがとうございました。